子どもがまん中になる 「地域の居場所」をめざして |
ぶどうの実館内で、裸足で走り回る子どもたちの姿を見ながら、私たち大人ができることは何なのかと考えます。ぶどうの実は、2020年秋にオープンしました。子どもたちが自由に遊べる場所にしたい。宿題や勉強ができるスペースもほしい。いろんな本やコミックも読めるようにしたい。大人の方にも開放したい。庭には果実の木を植えて畑もつくりたい。そんな思いで走り続けた3年余りです。命の尊さ、個の尊厳や平等、平和の希求がうたわれて久しいですが、大人社会の差別や格差、また貧困はなくなることはなく、形を変えて再生産されています。その一方で、大人社会を映し出す子どもの社会では、小中学生の不登校は増え続け、10年間連続して過去最多になっています。画一的な行動、集団行動が苦手な子もたくさんいますが、教育機会確保法(2016年公布)があるものの、不登校の子どもの4割はそれらの支援や情報も届いてはいないと報告されています。かけがえのない命と限りない可能性をもった一人ひとりの子どもたち、子どもたち自身がもつ命の力を大人たちがきちんと見守れることができるようにしたい。大きなことはできなくても、そこにつながるぶどうの実でありたいと考えています。日々試行錯誤ばかりです。失敗や反省も多々ありますが、応援していただければ嬉しいです。館長 谷口ひとみ |